社長日記

職人技 その1

先日お客様と絞りをくくる職人と染めの職人を訪ねました。

絞りをする為の台です。最盛期は5人が互い違いに座って絞りをくくっていたそうです。

帽子絞です。柄の部分を染まらないようにする染め分けする絞りです。
昔は竹の皮で包んで防染していましたが、現在はビニールを使用し、様々な
大きさの絞りができるようになりました。

柄の中に入れる芯です。これを中心にして布を巻きつけ、上からビニールで包みます。
左が新聞紙を巻いて作っている紙芯です。右がビニールの芯です。
紙芯は作るのが面倒ですが、熱に強く、ビニール芯は便利ですが、高温で染める(濃い色)と
収縮し、染料がにじむ可能性があります。
それぞれ一長一短があります。

これは桶絞りです。染めたくないところを桶の中に入れて、
染めたいところを桶の外に出します。
このまま染料につけて、画像のグレーの部分の色を変えます。

染める色により桶を使い分けます。黒とか赤は強い色なので、
その色を染める専用の桶になります。
桶絞りに使う桶を作る職人さんは、もういなくなりました。
ですから桶を大切にし、修理しながら使っています。
現存してる桶がなくなると、物理的に桶絞りは出来なくなります。

いつ見てもたいへんな仕事です。こういう職人さんがいて下さるので、
私たちの仕事が成り立っています。感謝、感謝です。
是非、『京鹿の子絞』の伝統を残すために若い跡継ぎが出てきて欲しいです。

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