先月の終わりに祖母が亡くなりました。大正5年生まれの94歳でした。
我が社の創業が大正4年なので、ほぼ同じ時を生きたことになります。大往生でした。
告別式にあたり、紋付き、袴をつけることにしました。白の羽織紐に白衿では結婚式のおめでたい感じなので、
黒とグレーの羽織紐を一本ずつ(父の分も)急遽買いに行きました。
衿をグレーにして、「喪服」で臨みました。スーツや女性の喪服であれば、決まっているので、
何も迷うことはないのですが、男の着物で表す弔意は難しいです。
身内なら今回のように、第一礼装の紋付き羽織袴で小物だけ変えるのが正解だと思うのですが、
身内でない方の葬儀の着物は悩むところです。余り仰々しくなりすぎるのもどうかと思いますし、
かといって、弔意を表すのに、くだけすぎるのも失礼にあたります。
そういう訳で私なりによく考えた結果、限りなく黒に近いお召の着物に、
それより少し濃い色の羽織にひとつ刺繍紋を入れたものを作りました。いろいろな着物を作り、着ていますが、
不祝儀用の着物だけ持ってなかったので、これで完全にスーツと決別することになりました。
しかし、男の着物の喪服、本によって書いてあることは違いますし、人に聞いてもまちまちの回答で、
私自身きちんとした答えにまだたどり着いていない状況です。
どなたかお分かりになる方、いらっしゃいませんか?
社長日記
お祖母さんがお亡くなりにご愁傷さまです。
94歳とご長命だったのですね。
所で男の喪や不祝儀での着物ですが。私の母、祖母、父、叔母が亡くなっととき紋付を着させて頂きました。
母と祖母が亡くなったのが、昭和47年で父や叔母が亡くなったのが平成5年ごろと間に約20年あまり間があります。
私自身は黒の羽二重紋付に白の衿、白の籠網の羽織紐をしました。
でも、ある時テレビで歌舞伎役者さんのお葬式を見たときに、衿が黒いのでとても印象に残りました。その頃から、黒の衿をされる方を時々見るようになった気がします。その時に羽織りの紐が何色だったのかははっきり覚えて居ません。
女性でも地域や立場により白の喪服を着るところがあるようですし、葬儀の次第などはまだまだ地方色が残っていますね。
お悔やみに行く時に着物で行く時に一番悩むのが袴を付けるかどうかです。比較的若いときは袴を付けましたが、最近は付けないこともあります。
時代によりいろいろ変化してきましたし、これから先も変化していくのでしょうが、私自身は白の衿、紐で通したいと重ます。
山名騒然さま、ご回答ありがとうございました。貴殿が実際に着られている方なので、
説得力があり、納得が出来ました。親族以外は、たしかに袴は迷うところですね。
これからもいろいろな方に聞いたり、見たりすることによって、弔意をあらわす
自分なりの喪服を探究していきたいと思います。
そして人に聞かれた時に自分の喪服が説明できるようになりたいですね。
きものに携わっている者ですから・・・