社長日記

これからの取り組み

今月はじめに、ある有料の着付け教室の社長と出会いました。
何気なくお話していると、こんなことをおっしゃいました。
『30代、40代の入学希望の生徒さんが多く、受け入れられなくて、
待ってもらっています。』と。
予想していなかった話しだったので、衝撃を受けました。
自分の視野の狭さを感じ、またそれと同時に、きもののこれからの明るい未来が
少し見えたような感じを受けました。

私の感覚では、今、きものを買っているボリュームゾーンの消費者は、50代、60代の方たち
ではないでしょうか。呉服屋さんの展示会に行って接客させてもらうと、その世代の方が
やはり多いです。たまにきもの好きの同世代の方が来られると、結構盛り上がったりします。

30代、40代のきものを着たい方が増えているとはどういうことなのでしょうか。
私なりに感じた、考えたことを述べたいと思います。

私たちの母親の世代は、嫁入り支度で、比較的きものを持っている世代です。
ただ、そのきものをほとんど着なくて、しつけ糸がかかったまま、一度も手を通さずに今まで持っている
きものがあるという方も多いのではないでしょうか。そういう話は伺った展示会ごとに耳にします。
その世代の方は、『自分がこんなにきものを着ないのだから、娘にはいらないでしょう』と思って
娘さんにつくられないケースが多々あると思います。

ということから、娘さんの世代がきものを着たいと思っても、自分のきものをお持ちでなく、
母親や祖母のきものを出して着たり、アンティークで揃えたりしている方が多いのではないでしょうか。
持ってないだけに逆に興味がわいたり、好きな方はきものの様々な情報を、雑誌、ネットで収集していると思います。
きものへの興味は、極端に言いますと、祖母から孫へ一世代とんで受け継がれている感じがしています。

これからのきもの業界は、その30代、40代の消費者をターゲットとしていかなければ、きものの未来はありません。
呉服店さんはもちろん、我々メーカーもよく考えてものづくりをしていかなければならないでしょう。

きものの情報は氾濫しています。その世代の消費者は、雑誌、ネットでよく調べて、いろいろなお店を回り、
自分のセンスにあったところを探し出し、そこで購買するように見受けられます。
このアイテムはこのお店、このテイストはこのお店と、セレクトした買い方が出てきているように思います。
もちろんネットショップもあるでしょう。
そのような消費者を捉えることが、これからの業界にとって大切なのでしょう。

ある先輩がブログで、『きものを着る人は増えているけれど、買う人は益々減っている』と書いてました。
今までは、きものは着ないけど、持っている満足感や使わない道具みたいな方が多く、実際の需要より
市場ははるかに大きかったと思います。
極端に言いますと、これからは、『きものを着る、着たい』人しか買わないでしょう。
そういう人が買いたくなるきものを提案できるようになることが必要でしょう。

市場としては小さくなっていくことは否定できません。
ただ、はじめに書きましたように、30代、40代のきものを着たい世代が増えてきているのも事実です。
ここのギャップを埋めていき、消費者に選択される店、メーカーにならなければ残れないでしょう。

今月、銀座三越が増床してリニューアルオープンしました。メインターゲットは30代、40代の女性です。
銀座三越としては、12年ぶりに呉服部門を再開しました。それも2階にです。
振袖、留袖等のフォーマルきものはなく、本店との路線とは一線を画す、コンセプトのようです。
まさにこれからのきもの業界を占うお店です。たいへん注目しています。

自分と同世代の人がこれからのターゲット。支持してもらえるメーカーになるよう努力します。

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