社長日記

決断

先日から、FB、twitterでも少しつぶやいていましたが、今年から『決断』したことがあります。
それは、オリジナル綿麻浴衣の『希望小売価格』の設定です。
2,3年前からずっと考えていましたが、今年ようやく踏み切ることにしました。
大きなきっかけは、愛知県西尾市の『あづまや』さんのUstreamhttp://kimono-hiroba.jp/と、
『月刊アレコレの着る人委員会』http://blog.arecole.com/?cid=56183でした。
消費者の方々からの、『何故、呉服店によって商品の価格が違うのですか?』の声。
それもたいへんたくさんの声で、どちらでも聞かれました。たしかに消費者の立場からすれば、
ものすごく聞きたい、当たりまえの話しだと思います。しかしそこに明確な答えを持っていなかった自分がいました。
メーカーとしてたいへん情けなく、歯がゆい思いをしました。

実は、きものは、弊社も含め、『希望小売価格』というものを設定していないケースが多数派です。
他方、きもの業界で希望小売価格を設定されてる会社ですが、私の知っている限りでは、
百貨店との取引が多い会社と、浴衣メーカーと、あと自分の会社でお店を持たれている場合、
この3つのケースだけは、ほぼ決まっていると思います。

きものは流通構造上、価格に非常にデリケートで、メーカーが価格設定を行うことが難しいことが実情です。
しかし最近、主にインターネットでですが、メーカーの価格が表に出るようになってきました。
きもの好きの方なら、ご覧になったこともあるかと思います。
弊社のきものも、雑誌やインターネットで価格が出る場面が多くなってきました。
そこで、まずは自社オリジナルの浴衣に関しまして、価格設定をすることが、消費者に対しての親切、
そして約束ではないかと思い、決断した次第です。『メーカーが自分達で作ったものに対して価格を決める』という
当たり前のことがなかなか出来なかった。決断する後押しをして下さったのが、消費者の疑問の声でした。

結果がどのようになるのかは正直分かりません。
ただ、早いか遅いかは分かりませんが、必ずその方向にきもの業界は進んでいくべきだと思っています。
その事を何社かの呉服店にご説明しましたら、概ね好意的な印象でした。
来週の浴衣発表には、全国の呉服店が来られます。皆様がどのように思われるのかたいへん興味深いです。

そして近い将来には、絹製品を含めた希望小売価格を設定し、全国どこでも同じ価格で、
『藤井絞』のきものがご覧いただけますよう、取り組みたいと思います。

その前に、お客様に選んで頂ける魅力のあるメーカーであり続けることが一番大切であり、
たいへんなことだと、『決断』により、身の引き締まる思いです。

何年か前から、『メーカーが価格設定する時代が来る』と言い続けてきた、実現の一歩が踏み出せる。

新年一発目のブログにも書いてますが、新しい事への『チャレンジ』。

自分自身とても楽しみです。

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