社長日記

新年を迎えて

皆様、明けましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になり、ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2013年がはじまりました!
年賀状の通り、藤井絞は、今年の2月で創業丸98年で「99年目」を迎えます。
いよいよ創業100周年に向かう動きをしていく大切な取り組みの年になります。
毎年書いているようですが、本当の勝負の年、勝負しなければいけない1年に
なると思います。その覚悟を持って、この1年間、取り組みたいと思います。

今年の藤井絞のスローガンは、3年前に掲げた『選択と集中』と昨年の『チャレンジ』の2つを
もう一度見つめ直し、新たな『選択と集中』、『チャレンジ』をしていきたいと思います。

まず『選択と集中』に関しましては、3年前に思い切って行ったつもりだったのですが、この
3年間で業界を取り巻く状況もずいぶん変化し、新たな視点で見つめ直す必要性が出て来たことが
発端です。昨年の1年間で、お取引先も、また消費者もスピードがものすごく速くなってきました。
何故かといいますと、Facebookを中心としたアプローチがたいへん多くなり、お客様の要望、要求レベルが
非常に高くなってきていることに起因します。メーカーとしまして、そこにお応えする仕組み作りを
していくことが、将来的に残る可能性が大きいのではと考えています。何を作って、どのように流通させて、
お客様にいかに選択して頂けるか。弊社としましても、欲しいという『選択』をされるメーカーになることが
生き残れることだと信じ、製造・流通面でより踏み込んだ『選択と集中』をやって行きたいと思います。

そして昨年と同様の『チャレンジ』ですが、引き続き「きものアルチザン京都」や「京都染色美術展」、
「着物カーニバル」などに対する取組みを、もっとたくさんの人にご覧頂き、認識して頂きたいという
思いがあります。昨年の様々な出会いを通じ、足がかりみたいなものは体感できましたが、
今年はそれをより発展させた『チャレンジ』が必要であると考えています。
熱い情熱を持った仲間の方々と、大いに『チャレンジ』していきたいと思います。

またその取組みを通じ、「藤井絞」を一人でも多くの方に知って頂く『チャレンジ』でもあります。
お陰さまで昨年はたくさんのオファーを頂き、業界紙、本などで紹介され、
皆様の目に触れる機会も多かった1年だったと思います。今年はもっと取り上げて頂けますよう、
より真剣に取り組みたいと考えています。

それから、「新しい職人を育てる、つくる」ことが、今年最大の『チャレンジ』となります。
何年も前から考えていたことですが、恥ずかしながら現状に甘んじて、先送りしてきました。
ただ、もう取り組まないと本当に間に合わない、切実な状況になってきています。自業自得ですが(汗)
着物業界のメーカーや職人はどの産地、どの業種でも同じ環境だとは思いますが、
これから年々、ものを作れなくなる、出来ていたものが出来ないように、間違いなくなっていきます。
商品の需要と供給バランスの問題はもちろんですが、後継者不足で技術が未来へ残らなくなってくるでしょう。
ひじょうに残念ですが、現実なのです。
それを踏まえ、少しずつですが、ベテランの技術を新しい職人さんに継承していくことが
「京鹿の子絞」を未来へ残すことであると考えています。ただ、産業として残る為には、
需要を高めるように持っていかないと職人さんも生活できない。ここをどのようにクリアしていくかが、
1番の問題なのです。絞組合の仲間とよく考え、「京鹿の子絞」の技術をどのように残していくのが
ベストなのかを選択して、即実行に移す。そしてみんなで責任をもって取り組む。
その初年度が今年であると考えています。
もし、「京鹿の子絞」を職業として考えたい方は、ぜひご連絡下さい!
「器用」で「好き」で「飽きない」自信のある方は確実に向いていると思いますので、ご検討下さい。

藤井絞としましては、上記のように、たくさんの方々に支持されるメーカー・ブランドになることが、
職人さんが仕事として入りやすい、また続けやすい環境をつくれることであると考えます。
もっと言いますと「製造」と「販売」の両輪が大きな円で回るような仕組み作りが出来ればと思っています。

何をやってもたいへんな世の中。それなら「チャレンジ」することが、明るく楽しい未来を創ることだと信じ、
取り組んでいきます。「創業100周年」をこれ以上ないかたちで迎えているイメージをして。

また1年間、どうぞお付き合いくださいませ。よろしくお願い致します。

藤井絞  藤井 浩一

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