社長日記

2015年を振り返って

久しぶりの投稿、今年最後のブログになります。藤井絞は先週25日(金)をもちまして、今年のすべての業務を終えました。

例年通り、年頭所感で記したことを振り返りたいと思います。

今年のテーマは「急・究・求(きゅう)」でした。「急ぐ・究める・求む」について書いてます、今年最初のブログをご参照下さい。
http://fujiishibori.jp/wp/2015/01/2479

まず「急」に関してですが、経済産業省が開催しました『和装振興研究会』に招聘されたことにより、様々な動きが出てきました。

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/wasou_shinkou/pdf/report01_01_00.pdf

研究会において、『京鹿の子絞』のものづくりをする立場として発言し続けた結果かどうかはわかりませんが、京都の様々な染織技術継承を考える会が今冬に発足し、来年から本格的な活動が始まることとなりました。まだそれぞれの現状把握の段階ですが、この官民一体となった取組みがスタートした事は大きな意義があると考えています。伝統的工芸品の技術継承を、急ぎながら着実に進めていくことが何よりも大切で、きものの未来を真剣に考えるきっかけになった年でした。

市場開拓、和装振興に関する「急」ですが、前述の研究会にてきものを取り巻く現状把握から、結果として『きものの日』を選定することが決まりました。ニュースにもなり、一時的ですがきもの銘柄の株価にも影響するといった現象が起き、大きな話題になりました。賛否両論あるとは思いますが、きもの業界に焦点が当たり、皆で考えるきっかけとなったことは素晴らしく、とても有難く感じています。

この動きを止めることなく、来年以降も続けていき、和装振興そして染織技術の継承を両輪で進めていくことこそが、これからの業界にとって最も重要だと考えています。

続いて「究」ですが、様々な技術、素材に挑戦し、絞り染めで表現出来る世界を究めたいと取り組んだ1年でもありました。雪花絞の襦袢は新たな挑戦で、たいへん好評でした。浴衣も新しい染色方法で、表現の奥行きが拡がりました。

中でも、美しいキモノ冬号の表紙で弊社の訪問着を取り上げて頂いた事は、たいへん
有難く、作って頂いた職人さんにも励みになりました。

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素晴らしい職人の方々に支えられ、藤井絞は存在しています。この技術がある内に次の世代に引き継ぐことを、これから取り組む前述の会に進言していければと思います。

「究める」といえば、新たな扉が開いた年でした。代表を務めております『きものアルチザン京都』が、来年2月に開催されます【ニューヨークファッションウィーク】で初めての、きものでのファッションショーに出展することになりました。クラウドファンディングという出資による資金調達で、約6万6千ドルのご支援を頂戴致しました。
https://www.facebook.com/kimonotonyfw/

伝統的工芸品であります、京友禅・京繍・京鹿の子絞・西陣織をはじめ、京都の染織の究極を、世界で活躍されています、きものスタイリスト・浅井広海さんのプロデュースのもと、NYファッションショーにてお見せしたいと思います。

『きものアルチザン京都』は来年6年目を迎えます。おかげさまで国内外問わず、ようやく様々なオファーを頂くようになりました。先月京都新聞夕刊にて取り上げて頂きました記事とFBページのURLを添付致します。今後の活動に是非ご注目下さい。

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https://www.facebook.com/kimono.artisan/

そして最後の「求」。お取引先、消費者とのより深いつながりを求めていると記してましたが、今年は全国のあちこちで『藤井絞展』を開催して頂きました。どちらのお取引先でもご好評頂き、おかげさまで多くの皆様がお求め下さいました。

「Facebook見てます」「ブログ見てます」と言って下さる方が本当にたくさんいらっしゃって、伝わっている実感が出てきました。

見たい、欲しいと思う方々にどれだけ届くか。満足度を高める追求をすることが必要だと感じています。1年後の予定を組んで下さるお取引先に感謝を申し上げると共に、ご満足頂ける商品を提供させて頂きますよう取り組みます。

今年、創業100年の1年間もたいへんお世話になり、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。弊社は新年4日から始まります。来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

それではどうぞよいお年をお迎え下さいませ。

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