藤井絞は、2020年のすべての業務を先日終了致しました。今年も1年間、皆様方にはたいへんお世話になり、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
今年を振り返りますと、新型コロナウィルスの話しは避けて通れません。3月ぐらいから影響が出始め、弊社の期首の4月は緊急事態宣言の為、時短営業、そして休業と致しました。引き続き5月は、24日(日)まで休業として、緊急事態宣言解除後の25日(月)から通常営業に戻しました。実質約40日間の休業でしたので、新年度のスタートは散々たる結果でした。具体的には、4月から商戦が始まる浴衣が、東京オリンピックの中止をはじめ、祭りや花火大会、浴衣イベントの中止により、販売がたいへん難しい状況になりました。実需時期の大ブレーキは、想像できないレベルのものでした。もちろん、お得意先様におかれましても、弊社の商品の販売はたいへん厳しかったことと存じます。予定が入っていました展示会はすべてキャンセルでしたし、実行委員を務めています5月の東京キモノショーも中止になり、イベントもすべて無くなりました。その影響は、最大のきものイベントであります、10月のきものサローネにも及びました。どの業界も同じですが、きもの業界にとりましても、未曾有の事態でした。
これだけの事態でしたので、コロナ禍に対応することが不可欠となりました。経営基盤を見直し、補助金関係は取り、今後、必要となることを整え、そして投資することに従事しました。特に、動画、配信に対応する為に、会社全館のWiFi工事や、配信の為の機器を揃え、今まで以上のインターネットによるきものの紹介、販売方法に着手しました。濃厚接触であります「対面販売」から、非接触の「ネット販売」へ、コロナ禍でなければ思い切ることが出来ない取組みになりました。YouTubeやInstagram、ZOOMなど、様々なSNSやアプリを駆使し、藤井絞のPRに努めました。藤井絞のYouTube、Facebook、Instagram、を添付しておきます。それぞれフォロー、応援、どうぞよろしくお願い致します。
YouTube「藤井絞チャンネル」https://www.youtube.com/channel/UCxzwC-0GCUL1lEhwmw0RKlA
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個人アカウント shibori529 着姿をアップしています。
インターネットで出来る、置き換えられることがこんなにもあったとは、新しい発見でした。もちろんコロナがなければ気付かないし、変化も必要なかったでしょう。ファッションショー、ショッピング、展示会の告知、商品の紹介、接客など、リアルでしか成り立たないと思っていたものが、インターネットですべて成立することが分かり、今後にとって最も大きな武器となりました。新型コロナウィルスが収束すれば、コロナ前のリアルな対面販売にはいつでも戻れますが、リアル、リモートのどちらもできることで、販売方法の拡がりは何倍にもなると確信しました。来年はもっと積極的に取組み、今後の可能性をより模索していきたいと考えています。
緊急事態宣言解除後のお得意先様の展示会は、前述のブログで紹介しました通り、おかげさまで概ね好調です。きものを着る、出かけることを望んでいた方々に支えられ、今までとはどこか違う、きもの熱を感じています。お客様との接点が少なくなっていた中ですが、全国どこへお伺いしても、コロナを忘れるような温かい時間ばかりでした。お客様とこれまで以上の関係を築けたことは、今年最大の財産となりました。お世話になりました多くの皆様、ありがとうございました。
ざっと振り返りましたが、藤井絞の今年のスローガンは【積極的・能動的・自発的】でした。コロナ禍の中、社員がスローガン通り考えて動いてくれたこともありますし、出来なかったこと、足りなかったこともありますが、難しい状況の中、よく検討してくれたと思っています。会社にとって今、何が出来るのか、何が必要なのか、とにかくよく考えて行動して欲しいという旨を伝え続けました。SNSでの注文が増えたり、フォローが増えたりしたことは1番大きな結果でした。しかし、年始に書いていました社員の職人化は、コロナ禍の中、スタート出来ず、来年以降の課題です。例年とは違う考えでの【積極的・能動的・自発的】ですので、順応性、対応力の問われた1年となりました。培ったものが来年以降どう発揮出来るのか、楽しみです。
そして、今年はたくさんの方々との出会いもありました。何か必然的に引き合うような、そしてご縁がある、不思議な出会いが多い年でした。コロナ禍で出会えたからこそ価値がありますし、ヒントもいっぱい頂きました。そして、たくさんの皆様に助けて頂きました。お会いした皆様、共通して前向きで、コロナ禍をチャンスと捉えてらっしゃいます。その良い影響を受け、頭の中が加速度的に整理でき、やろうと思ったことを断行していけました。例年なら、お金かかるしやめておこうとか、時間ないしやめようとか躊躇していたことをほぼやりました。そういう意味では、コロナ禍だからやろう、そして出来たとも言え、とても良い結果となりました。ただし、本当に良い結果になるかどうかは来年以降だと思いますので、しっかり取り組みます。
先日、同業者とこんなやり取りがありました。1番売れにくい、必要性が少ない、それこそ不要不急のものをどうやって販売するかを考える。この理不尽な商売をド真剣にやってるって、凄いなと(笑)でもこのコロナ禍で、きものの仕事はとても有難く、人々の笑顔を作る仕事なんだと、再認識しました。そのきっかけは、オリジナル木綿きもの「はごろ木綿」でした。緊急事態宣言後、YouTubeで商品の特徴を説明したり、ネーミング募集したり、PRし続けました。そして、緊急事態宣言解除後から本格的に販売をはじめると、実際に素材の確認に来られたり、ご注文頂いたりする方がとても多く、展示会を牽引する商材になりました。きものを着て出かけにくい、冠婚葬祭でのフォーマルでの需要が少ない中、このようなカジュアルなきものを、このタイミングで本格的に展開できたことは、とてもラッキーでした。Instagramをはじめ、各種SNSで家でのきもの姿をアップする方が多くなり、この「はごろ木綿」は着心地が良いのはもちろんですが、家で洗えることもあり、『おうちできもの』のニーズを満たしていることも大きかったです。浴衣に引き続き、自然素材で洗えるきものを発表でき、今後、藤井絞の大きな柱になると確信しました。
はごろ木綿、たくさんお買い求め頂き、ありがとうございました。また着姿や感想を頂き、とても励みになりました。来年はもっと商品を充実させますので、楽しみにお待ち下さいませ。
いろいろと書いて参りましたが、この1回のブログで書ききれないぐらい、本当に激動の1年でした。たいへんでしたが、成長できたと自分で感じられた1年でもありました。このコロナ禍は会社や私にとって、大きな良い分岐点になりました。そして、これからのコロナ禍での藤井絞の決意表明を8月末にお得意先様にお送りしました。添付資料をご覧下さい。
たくさんのお問合せ、ご質問も頂きましたが、今までと同じようにやってはダメだと言われている以上、会社としての姿勢を示すことは、お得意先様、そして社員を守る為に必要なことだと判断しました。きもの業界も今までとは違う「ニューノーマル」な対応が必要となります。まだ未達のこともありますが、この方針に則り、進めていく所存ですので、どうぞご理解下さいませ。「ピンチをチャンスへ」常に前向きで積極的に取り組んでいければと思っています。
新型コロナウィルスの1日も早い収束と、皆様のご多幸を祈念し、今年最後のブログとさせて頂きます。来年も藤井絞を何卒よろしくお願い申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
藤井絞株式会社 藤井 浩一
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