社長日記

被災地から元気を頂きました

弊社のお得意先であります東北の問屋さんの社長が、
『たくさんの呉服店から展示会の予定を頂いてて、今年は勝負の年です』
と言って、年始から弊社の商品をたくさん仕入れ、準備されていました。

その後、東日本大震災。

幸いに内陸だったこともあり、問屋さんは何とかご無事で連絡がつきました。

その問屋さんは、お得意先の呉服屋さんを、余震が続く中、1軒1軒訪ね回り、全員無事の確認をとったそうです。
しかし、13軒ほどが震災により、津波で流されたり、とてもすぐには商売が出来ない状態で、
予定していた展示会は、もちろんすべて開催不可能に。

問屋さんの社長から『展示会すべてダメになりました』と弊社担当に連絡がありました。
担当は『返品やお支払いのことは何でも言って下さい。全部引き受けますから、頑張って下さい』と言いました。
『少し考えさせて』と電話をきられたようです。

もしかしたら廃業もありうるかもと思っていたところ、『返品を受けて欲しい』との連絡。
もちろんすべて引き受け、今後も再起を願い、全面的にバックアップするお約束をしました。

その数日後にまた連絡をいただきました。

『無事だった日本海側の呉服店さんや、関東地方の呉服店から、復興支援の展示会を開催しましょうとの
依頼をたくさん頂き、瞬く間に忙しくなったので、商品の応援をお願いしたい』とのうれしいお話。

その上、

『返品した商品、まだある?全部買い戻すわ。』

こんなたいへんな時にありえないぐらいの元気さと明るさと前向きさに、ひっくり返るぐらいビックリしたのと、
ものすごくうれしかった。この社長、すごい方やなあと。

担当が、『社長、買わなくていいですし、全部お送りします。頑張って下さい。』というと、
ひじょうに感謝されたとのこと。

そういう方やから、お得意先が助けて下さるんだろうなと、商売だけではない普段の付き合いが
如何に大切か考えさせられました。
普段、お得意先のことを何よりも大切にしているから、このような素晴らしい展開になるのでしょう。
展示会を予定して下さった呉服店もすごく素敵ですね。

結果が良いにこしたことはないですが、結果がどうあれ、とても心あたたまる話でした。

昨日の京都新聞に、震災による和装業界の悲壮な記事がありましたが、たいへんな時だからこそ
このような明るい話がものすごくうれしいです。

私たちが元気をだして頑張らないと駄目ですね。

被災地から、たいへんな時に、ものすごく元気をいただいたこの数日間でした。

コメント

  1. いい話です。
    生産者、同業者もまたこういう姿勢でありたいものです。
    そうしたら、絶対消費者は店頭に戻ってくると思います。
    私もいま知人の気仙沼の悉皆屋さんに代わり、
    お約束しながら震災で連絡もなく訪ねられなかったという
    呉服屋さんを、代理でお詫びと近況報告の挨拶に回りました。
    地の利で、できることはコレくらいですが。

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