社長日記

2021年を振り返って

大変ご無沙汰しております。今年のブログも年始と年末と2回の投稿となってしまいました。年末のブログ、なぜか今年は書く気が乗らず、大晦日になってしまいましたこと、ダメだなぁと感じています。

ダメな原因は、2年目のコロナ禍に飽きた自分です。昨年は何か分からないものが来て、それに立ち向かってやろうと決め、いろいろ仕掛け、取り組みました。新しいこともしましたので、楽しく、やり甲斐もありました。しかし、今年は大きく新たな手が打てないまま、1年間を過ごし、まともにコロナ禍の影響を受ける形となりました。いつまで続くか分からない「緊急事態宣言」に、あまり感じてはいませんでしたが、自分の力だけではどうしようもない、どこか諦めムードのようなものがありました。

実は昨年は、5月末の緊急事態宣言解除後の特需があり、結果6月以降、前年度決算の3月までの10ヶ月はそんなに悪くなく、4月からの今年度は何とか持ち直すのではないかと、年始の段階では予想していました。しかし蓋を開けてみれば、ずっと続く緊急事態宣言の慣れのようなものに巻かれ、お客様は、昨年買った浴衣や着物を着る場面が無く、まだ着ていなくて今年は買わずとも良いという雰囲気がものすごくありました。その雰囲気に飲まれた感が、弊社も、多くのお得意先様にもあったように感じています。厳しい現実でした。

そのような状況でしたが、今年は参加しているプロジェクト【59kimono】の10周年ということがあり、参画されている13社の呉服店の【ご当地59kimono】を作る企画があり、大いに盛り上がりました。リピートがとてもたくさん付いたところもあり大変でしたが、多くの皆様に喜んで頂いたと感じています。浴衣商戦が厳しい中、一筋の光明でした。

https://www.facebook.com/59kimonogokkyuukimono/

あと、今年初めから出て来ました【Clubnouse】も、一つのやり甲斐となりました。2月より【きものラジオ・藤井絞4代目が聞く】という配信を、毎週日曜日21時半からしており、過去28回、26名の、着物業界のゲストをお迎えし、様々なお話しをお聞きするということを続けて参りました。そして、7月から10月末までは【きものサローネ2021】の告知の為の配信を続けました。おかげさまで多くの皆様と新しいコミュニケーションを取ることができ、有益に活用させて頂いています。【Clubnouse】、オワコンだと言われてますが、使い方によってはまだまだおもしろいツールではないかと思っています。いつまで続くかですが、まだもうしばらくしようかなと考えていますので、よろしければ下のURLからチェックしてみて下さい。

https://www.clubhouse.com/@shibori529

そして今年は、なんと言いましても、緊急事態宣言解除後に開催されました【きものサローネ2021】です。2年ぶり、そして場所を日本橋より有楽町の「東京国際フォーラム」に移しての初めての開催でした。実行委員として、ZOOM会議を中心に運営を考え、コロナ禍でのイベントの開催に頭を悩ませました。結果、望外の多くの来場者に恵まれ、成功裏に終わりました。大変な状況でしたが、2年ぶりの開催という思い入れもあり、今までで1番充実した手応えを感じた【きものサローネ】になりました。その中で大変お世話になっております「仕立の店 藤工房」様のブースによる販売で、きものサローネ史上過去最高の売上を記録したことは、大変な驚きであり、自信となりました。

きものサローネでは弊社には人手が無かった為、「藤井絞」では早々にブース出展は諦めていました。そんな中、「仕立の店 藤工房」の加藤社長のお取り計らいにより、藤井絞の『はごろ木綿』を全面的にお扱い頂くことになりました。SNSを駆使した告知、且つ、直前のYouTubeによるコーディネート提案など、様々なことを仕掛け、皆様にお伝えし続けました。結果、イベント開始早々より『はごろ木綿』を見たい、触りたいという方が殺到しました。わずか2畳ほどのスペース、それも立っての説明で、こんなにお求め頂けるのか、有難いのと同時に、今までの着物の販売の概念が変わった経験でした。と言いますのも『はごろ木綿』は決して安くなく、むしろ木綿としては、すごく高価な商材なので、普段は座って、丁寧に接客してお求め頂ける販売しかないもの、と考えていました。それが立っての接客で、飛ぶようにお求め頂ける。手前味噌ですが、商品の良さ、強さを感じた瞬間で、とても幸せでした。また、会場にも『はごろ木綿』を着て来て下さる方が多く、たくさんの「良い」という感想を頂戴したことも、大きな励み、自信になりました。コロナ禍の昨年9月に大々的に発表した『はごろ木綿』。1年間で、藤井絞を牽引するヒット商品に育ちました。コロナ禍があったからこそ、注目された商品であり、自宅で洗える、木綿に見えない、そして絹の着心地に近い、という特性が、より光ったのではないでしょうか。お求め頂きました皆様、本当にありがとうございました。

今年のスローガン【常識にとらわれない創造を】でしたが、最初に書いていますようにコロナ禍慣れのようなものに浮かされ、大きな創造は出来ませんでした。年始に書いています「ECサイトの構築」もまだ進んでおらず、全体的に熱が冷めた1年で、振り返ってみると自分自身ものすごく不本意で、スランプと言っていい年でした。そんな中、Facebookには書きましたが、最近、私の2人の師匠がお亡くなりになりました。とても悲しく、切なく、無念です。ほんと、こんなに泣けるのかというぐらい泣きました。お二人には、どんなに感謝してもしきれないほど、愛情と情熱を持って、私を導いて下さいました。その内容はFacebookに記してあります。今年、最高の数の「いいね」を頂いた投稿になりました。URLを添付致します。大変長文ですが、よろしければお読み下さい。

https://www.facebook.com/100002017490678/posts/4811176658959536/

両極なお二人でしたが、総じて言えるのは、お二人とも明るく、前向きで、切替えの早い方でした。仕方がない、さぁ次と。コロナ禍に飽きていたダメな自分を叱咤激励する、師匠の最後の教えだった気がします。

師匠を亡くした私は、先日50歳の節目を迎えました。来年こそは、コロナ禍や他の要因があろうが、跳ね返す気持ちで臨みます。大変お世話になった師匠の教えを胸に、挑戦します。

今年も大変お世話になり、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。来年も「藤井絞」を何卒よろしくお願い申し上げます。尚、新年1月5日(水)より営業となります。

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。

 

藤井絞株式会社 藤井浩一

 

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